サン・ジャックへの道 

サン・ジャックへの道



『赤ちゃんに乾杯』や『女はみんな生きている』のコリーヌ・セロー監督が、
美しい自然と文化遺産が溢れる巡礼路を舞台に、
余計なものをそぎ落とした生身の人間同志の触れあいや
心の動きを爽やかに描き出した感動作「サン・ジャックへの道」。

さらにパワーアップしたちょっとイジワルであったかい監督
セローのまなざしは人々の心を魅了し、
フランスで起きている巡礼ブームに後押しもされ、
本国で公開されるやスマッシュ・ヒットとなった。

まっすぐ続く一本道を、急勾配の道を、
天候に関係なくひたすら自身の足で歩き続ける旅は人生そのもの。
荷物は自分で背負わなくてはならないけれど、
生きていく上で本当に必要なものなどそう多くはない。

いつしかそんな前向きな気持ちになってくる。

そして
、終着点であるサンティアゴ・デ・コンポステーラにそびえる荘厳なる大聖堂、
さらにはスペイン最西端の海の輝きを目にしたとき、映画を見る者は、
ずっと一緒に歩いて来たような不思議な達成感に包まれる。

一緒に笑って泣いた後、心は感動と元気に満たされ、
みんなと離れがたい感情に心揺さぶられることだろう。
 
 
コリーヌ・セローの作品では、
いつも主人公が想定外の状況に巻き込まれていくが、
『サン・ジャックへの道』でも同様に主人公達は想定外で自分を変えてゆくことになる。

コリーヌ・セローならではの女性の精神的たくましさの描写は健在だが、
従来の作品と異なるのは、男女の対比や対立の構図から自由になっていることだ。

これまでの作品で、“ダメ男”を笑いのめしてきたセローの辛辣な目は、

今回、宗教の偏狭さや、
人種差別など「他者を受容しない権威」に向けられる。

対照的に、人間に向ける眼差しは、
彼らのダメ人間ぶりを互いの毒舌セリフでコケにしてみせながらも、あくまで優しい。

そして、身体感覚を忘れてしまったストレス社会に陥っている現代に
生き方を模索するきっかけを与える映画を作り上げた。 


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